PIDの考え方を車の運転で例えてみます。
時速100キロで走行したい時に、遅ければアクセルを踏むし、早ければアクセルをゆるめる。
この動作が比例制御です。つまり、現在の速度に応じてアクセルを操作することです。
更に詳しく言えば、アクセルを50%踏んだ時の速度が時速100キロだとします。
100キロで走る時は、アクセル50%。
90キロで走る時は45%。
105キロで走る時は105%。
このように、比例制御では、あらかじめ速度とアクセル位置の関係を決めておきます。
そして、希望する速度で運転するためには、あらかじめその速度に対して決められたアクセル位置とします。
しかし、アクセル50%で100キロと決めていても、登り坂、下り坂、乗車人数などにより、100キロを維持することは困難です。
登り坂でアクセル50%を維持すると、80キロに落ち着いたとします。
この時の-20キロをオフセットと呼び、比例制御のみでは必ず生じる誤差です。
積分制御はこのオフセットを解消するためのものです。
登り坂になると速度が少しずつ落ちてきます。そこで少しアクセルを踏みます。
まだ速度が落ちる場合は、更にアクセルを踏みます。
このようにアクセルを踏んでみて、その結果速度が上がらないと、少しずつアクセルを踏み増します。
いずれ速度が上昇に変化して100キロになります。
そして100キロを超えると、今度はすこしずつアクセルをゆるめて100キロにします。
したがって、積分制御は、現在の速度差に対してアクセルを踏み、その結果の速度を見て、再度アクセル操作するものです。
ブレーキを踏んで速度が急に落ちたとします。この時、人間はアクセルをグッと踏み込んで、100キロに戻そうとします。
このように、急な変化に対して早く元に戻そうとすることを微分制御と言います。
つまり、人間は知らないうちにPID制御をして運転をしていることになります。しかもPIDの調整は瞬時に行っています。
現在、車の一定速度運転スイッチがありますが、人間にはとてもかないません!
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