プロコンの制御出力(加熱弁や冷却弁を動作させるもの)が、0%の時は加熱弁は閉、100%の時は加熱弁は開となります。

 

それでは30%の時、加熱弁はどうなるのでしょう?

染色機でまれに使われる連続弁では、エアーの圧力を30%にして、バルブ開度を30%にします。
ところが、染色機で一般的に使われているシリンダー弁やダイアフラム弁はON/OFFタイプで、全開と全閉しかありません。途中の位置で止めることは困難です。

そこで、周期と呼ばれる時間を設定します。
例えば、周期10秒の場合、プロコン制御出力30%の時には、3秒間開で7秒間閉となります。
このように、周期の設定時間を分割して、その出力%に応じた開閉時間にしています。
染色機の比例周期は8〜15秒で、一般的には10秒が多いようです。

 

比例周期を遅くすると、

例えば、15秒とすると、30%の時に4.5秒間加熱弁が開し、10.5秒間閉します。
4.5秒間で温度がかなり上昇し、10.5秒間でかなり下降します。
したがって、温度むらが出やすくなります。

 

比例周期を早くすると、

例えば、5秒とすると、30%の時に1.5秒間加熱弁が開し、3.5秒間閉します。
ところが、実際には電磁弁とバルブの距離があり、このエアー配管内の体積が影響して、1.5秒間電磁弁がONしても、バルブはあまり動作できません。
また、頻繁なON/OFFは電磁弁や盤内のリレーの寿命を早めるだけでなく、エアー損失も多くなってしまいます。

しかし、ある会社では、バルブのエアー入り口に直接電磁弁を接続し、比例周期5秒で運転しています。
寿命やエアー損はありますが、正確に温度制御ができます。
弊社では、染色機の比例周期は10秒が最適と考えております