アナログ出力(記録計用)


測定温度0〜150℃に比例した、0〜10VDC、1〜5VDC、4〜20mADCなどの標準的な電気信号を出すことです。
記録計はこの信号を受けて温度記録します。
0Vの時は0℃、10Vの時は150℃を記録します。

アナログ出力(連続制御バルブ用)


プロコンの制御出力0〜100%に比例して、4〜20mADCなどの電気信号を出すことです。
バルブは4mAの時全閉、12mAの時50%、20mAの時全開します。

アンチリセットワインドアップ(チノー製プロコンで使用されている)


PIDの積分動作による温度のオーバーシュートを防ぐためのものです。
設定温度に対して、ある一定温度以上の差がある時に、積分動作をカットするものです。
温度差が長い時間継続すると、積分による操作量がたまってしまい、温度差がなくなった時でも、なかなか制御出力が下がらずにオーバーシュートしてしまいます。
これを防ぐためのものです。

オートチューニング


PIDの各設定値を自動で設定する機能です。
オートチューニングを実行すると、温度の上昇下降を数回繰り返します。
その機械の状態を判断して自動でPID値を決めます。
PIDについて」で記載しましたように、染色機のようなプログラム運転には向きません。

温度センサー


温度を電気的な信号に変えるものです。
熱電対と言う、温度によって電気が発生するものと、染色機で使われている測温抵抗体と言う、温度によって電気抵抗が変わるものがあります。(「Pt100オーム」参照)

キープ


100℃を30分間キープする、と言えば、継続させるの意味になります。
プロコンの操作では、ランとキープがあり、ランは時間進行しますし、キープは時間進行を止めるの意味です。

ギャランティーソーク


ソーク(一定温度で一定時間温調する)をギャランティー(保証)することです。
あるステップが100℃で30分とすると、そのステップにギャランティーソークをかけておくと、そのステップになると100℃になるまで時間進行を止めて、100℃になったら時間進行させます。
このことで、100℃30分が保証されることになります。

シーケンサー


機械などを制御するための産業用のコンピューターのことです。
シーケンスとは決められた手順にしたがって動作させるの意味です。
シーケンス回路をプログラムして使用します(便利になりました)。

実温度スタート


40℃から100℃まで30分で上昇させるとします。開始時に缶体の温度が60℃あったとします。
40℃から運転開始すると、60℃までは無駄な時間になります。
このため、運転開始で設定温度を60℃までジャンプさせて、60℃から昇温させる機能のことです。

ステップ(セグメント)


プロコンの温度プログラムはステップ毎に入力します。ステップ1は40℃1分、ステップ2は100℃まで30分、などとします。
また、ステップにタイムシグナルを設定して、このステップは加熱、このステップは冷却などとします。

セグメント(ステップ)


ステップと同じ意味です。プロコンメーカーによっての違いです。

絶対値警報 


絶対値上限警報を140℃に設定した場合、缶体の温度が140℃以上になるとプロコンの絶対値警報の端子台がONします。
設定温度と関係がない警報です。

タイムシグナル


1〜10や1〜20などのタイムシグナル番号を、温度プログラムのステップに設定します。
タイムシグナル1と設定されたステップになると、プロコン端子台のタイムシグナル1端子がONします。 この信号を制御盤が受けて、加熱工程と判断します。
タイムシグナルの番号と染色工程の関係は、染色機メーカーによって異なります。

タッチパネル


画面で数字やランプ、グラフなどを表示すると同時に、画面表面がスイッチに なっていて、スイッチが表示されている部分を押すと、スイッチとして機能することができる装置です。

トランジスタ出力


プロコンのタイムシグナル出力など、端子台から出力する方式のことです。
トランジスタ出力は一般的には直流24Vでのみ使用できる端子です。AC200Vでは使用できません。
頻繁にON/OFFする場合はリレー出力では寿命がありますので、トランジスタ出力を使用します。

パターン


プロコンでの温度プログラムが入力されている番号のことです。
パターン1はナイロンで濃色の染色、130℃30分などとなります。
パターン数はこれらのパターンの数です。

早送り


あるステップを実行している時に、早送りさせると次のステップに移行します。
ステップを進めることになります。

ハンチング


温度が安定せず、上昇下降を繰り返すことです。
一般的にサイクルの短いハンチングは比例帯を大きくすると解消され、サイクルの大きなハンチングは比例帯を狭くして解消します。

PID


温度を正確に制御するための仕組みのことです。
詳しくは「PIDについて」をご参照下さい。

BCDコード


プロコンで運転するパターン番号を選ぶ時に、プロコンの外に設けたデジタル スイッチでパターン番号を設定する時の、そのスイッチの信号形態のことです。
BCDコードでは1桁の数字を4点の信号の組み合わせで表現します。

Pt100オーム


温度センサーの種類です。
Ptは白金の意味で、細い白金線を巻いたものが管の中に埋め込まれています。
0℃の時に100オームで、温度によって抵抗が変化します。染色機の温度帯では最も正確な精度をもっています。
細い白金線は切れやすいので衝撃にはご注意下さい。

PVスタート


実温度スタート」の項目をご参照下さい。同じ意味です。

比例周期


PID制御での0〜100%出力を決められた時間(比例周期)の中で、ON/OFF時間に割り振りするためのものです。
詳しくは「PIDについて」をご参照下さい。

フィルタ


温度センサーで測定した温度をプロコンで表示します。ところが、温度表示は微妙にふらつくような時に、フィルタをかけます。
フィルタの時間を長くすると、温度表示が鈍感になると考えて下さい。

フルスケール


プロコンの温度表示できる範囲のことです。
染色機では0〜150℃が多いですが、0〜200℃がフルスケールのものもあります。
比例帯の%はこのフルスケールに対しての割合です。

偏差警報


設定温度と測定温度の差を偏差と言います。
偏差下限警報の設定値を2℃とすると、設定温度100℃の場合、測定温度が98℃以下の時に偏差警報がONします。
このように、設定温度に対しての差を警報設定値とします。

ホールド


プロコンで時間進行が止まっている状態のことです。
この反対(時間進行中)を、プログラムと呼ぶ場合があります。

リミッタ


温調の制御出力の上限または下限値のことです。
上限リミッタを80%に設定すると、温度が低い状態でもバルブが開を継続することはできません。比例周期が10秒とすると、必ず2秒間はバルブが閉します。
昇温能力が大きな場合に、リミッタをかけると温度上昇を防ぐことができます。

リレー出力


プロコンのタイムシグナル出力など、端子台から出力する方式のことです。
リレー出力はDC24VでもAC200Vでも使用できます。
ただし、リレーの接点には寿命があります。頻繁にON/OFする場合は、トランジスタ出力を使用します。